土地活用や不動産投資を考えている方にとって、アパート建築は魅力的な手段のひとつです。しかし無策のまま進めると、費用が当初の予算をオーバーしてしまったり、建てたあとに入居者が集まらなかったりと、大切な資産がそのまま負債になりかねません。
ここでは、はじめてアパートを建てる方向けに、基本的な流れとポイントを解説します。
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アパートを建築する第一歩は?

アパートを建築するにあたって最初の大きな分かれ道は、土地の有無です。土地を持っていない場合は当然ながら、土地を探して購入するところから始めなければなりません。土地を持っているか、持っていないかによって、それぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。
土地を持っている場合
相続などですでに土地を所有している場合は、初期費用としてアパートの建築費のみが必要になります。自己資金が少なくて済むという点で、今後の賃貸経営を安定させやすいのが最大のメリットです。
しかし、所有している土地の立地に経営が左右されるというリスクも考えられます。エリアのニーズをしっかりリサーチし、今後も入居需要が見込める建物を建築しなければなりません。それが難しいと判断した場合は、土地の買い替えも視野に入れる必要が出てきます。
土地を持っていない場合
土地なしの状態からアパートを建築・経営するには、多くの自己資金が必要です。一方で、土地ありの場合と違い、アパート経営に適した土地をイチから選べるメリットがあります。
ただし、立地の良い土地の購入費用は高く、土地代を抑えると立地条件が悪くなるのが一般的です。そのため、例えば条件の割には安い“掘り出し物”の土地を地道に探す方法や、立地条件の悪さをカバーする建築・経営戦略によって安定経営を目指します。
アパート建築の基本的な流れ

土地がある状態、もしくは土地を購入したらアパート建築がスタートします。計画から入居者募集までにかかる期間はおおよそ半年〜1年半で、基本的な流れは以下のとおりです。
①調査|建築予定地の周辺施設や交通量、賃貸需要のほか、隣接道路や土地の測量を行う
②資金計画|事業収支計画など経営のシミュレーションと、ローンや節税対策の検討を行う
③建築会社の選定|複数の会社からプラン・見積もりを取り、契約する会社を決定する
④建築プランの決定|提出されたプランをもとに、細かい仕様やスケジュールを確認・決定する
⑤工事請負契約|工事請負契約を締結する
⑥着工|建築確認申請が通ったら工事を開始する
⑦入居者募集|工事中に入居者を募集し、完成後すぐに入居できるように準備を行う
⑧竣工・引渡|建築完了検査、完成検査などを経て引き渡しを受ける
適切な建築業者の選び方

「③建築会社の選定」の依頼先はハウスメーカーや工務店などで、まずは複数の会社に相談するのがおすすめです。希望や予算を伝えたうえで、それぞれの収支シミュレーションや建物の間取りプラン、見積もりなどを提出してもらい、依頼する会社を選ぶことになります。
建築会社にもそれぞれ得意・不得意があるため、エリアのマーケットに詳しく、賃貸アパートの建築実績が豊富な会社に依頼したいもの。プランや見積もりだけでなくアフターサービスなども確認し、長期間にわたる賃貸経営を支えてくれる体制を備えた会社を選びましょう。
また、➀調査②資金計画においても、建築会社に相談できるケースも多くあるため、賃貸経営において専門性の高い会社に相談するのがおすすめです。
入居者募集や日常の管理のこと、10年後20年後の修繕などについても相談できる会社であればより安心です。
設計から着工までの流れ
「③建築会社の選定」から「⑥着工」までの流れをもう少し詳しく見てみましょう。
まず、事業収支計画にあわせてアパートの設計が行われます。オーナーの要望をもとに、最初に戸数や間取り、設備仕様に沿って、外観や共用部の仕様をまとめた基本設計および概算見積もりが第一段階です。
第二段階は、建築会社の選定後に行われる、行政に建築確認を申請するための詳細な実施設計となります。設計図のほか、仕様書や各種計算書、工事予算書なども作成され、実際に施工可能な図面を作っていきます。この段階では詳細見積もりも確認できるようになります。
工事請負契約を締結したら、いよいよ着工です。ここまでにアパートローン契約、地鎮祭と近隣住民への挨拶を済ませておきます。
アパートの建築費はいくらぐらい必要?

土地あり・なしのいずれの場合でも、アパートの建築費は今後の成否を決める重要な要素です。建築費は坪単価×延床面積で求めることができ、坪単価は構造や地域によっても異なります。
アパート建築費の坪単価相場
構造別
アパートの構造として、木造や鉄骨造、RC(鉄筋コンクリート)造があります。2階建てまでのアパートは建築費の安い木造で建てられることが多く、3階以上の建物には鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造が採用されます。
アパートの構造別の坪単価相場は以下のとおりです。
木造 70万~110万円/坪
鉄骨造 80万~120万円/坪
RC造 90万~130万円/坪
例えば、ひと部屋25㎡の1Kが1フロア4戸、全8戸で共用部分が各階10㎡の2階建て木造アパートを建てた場合、延床面積は67坪程度ですので、建築費は4,690万〜7,370万円になります。
地域別
建築費用は地域によっても変わってきます。人口が多い都市部は建築工事に関わる人件費も高く、坪単価が上がる傾向にあります。さらに住宅密集地の多い都市部の工事では、周囲への防音対策や資材運搬などにコストがかかりやすくなるという側面も。
国土交通省が毎年集計している都道府県別の平均建築費を見てみると、「共同住宅/貸家」カテゴリーにおける主な都道府県の平均建築予定費(全構造)は以下のとおりとなっています。やはり、東京が突出して高くなっています。
北海道 20万円/㎡ → 66.11万円/坪
東京 39万円/㎡ → 128.92万円/坪
愛知 27万円/㎡ → 89.25万円/坪
大阪 26万円/㎡ → 85.95万円/坪
福岡 24万円/㎡ → 79.33万円/坪
(全国 29万円/㎡ → 95.86万円/坪)
※1坪あたり3.3058㎡として計算(小数点2位以下切捨て)
参照:建築着工統計調査 住宅着工統計(2024年)|政府統計
アパート建築時に必要な諸費用

アパート建築には、建築費(本体工事費)以外にも以下のようなお金がかかってきます。
設計費
設計費は、アパートの設計を設計士に依頼する場合にかかるお金で、建築費のだいたい7〜8%が目安です。依頼する会社によっては建築費に含まれていることもあります。
建物の建築前に行われる確認申請の費用は、設計費に含まれていることもありますが、含まれていない場合、設計士による代行費用も含め10万~50万円程度が別途必要となります。
地盤調査費
アパートの建築にあたり、建物が安全に建てられる地盤かどうかを調査するための費用です。専門の調査会社が機械を用いて地層の深さや地質を調べます。費用の目安は広さや方式にもよりますが、簡易的な調査方法であれば5万~10万円程度、中高層や大規模アパートの建築で採用される方法であれば20万〜30万円程度です。
付帯工事費
地盤調査で地盤の強度が十分でないことが分かった場合、地盤改良工事が必要です。ほかにも駐輪場や塀、植栽などの外構工事、給排水、ガス埋設管の引込工事、電気工事などの費用がかかります。目安は本体工事費の約20%前後。仮に建築費(本体費用)が5,000万円だった場合、1,000万円かかる計算になりますので決して軽視できない費用です。
不動産取得税など各種税金
アパートの建築や所有に対してかかる税金として、不動産取得税のほか、不動産登録免許税や印紙税などがあります。アパートローンを組んで銀行などから融資を受ける場合は、抵当権設定登録免許税も課されます。
その他
不動産登記や抵当権設定登録を司法書士に依頼するにあたり、登記費用に加えて手数料がかかります。そのほか、火災保険料やローン手数料などもその他費用に含まれます。
さらに、実施するかどうかはオーナーの判断によりますが、地鎮祭、上棟式、竣工式などを行う場合はそれぞれに費用がかかってきます。最近は地鎮祭のみ行うケースが多くなっているようです。
アパート建築費を抑えるポイント
さまざまな費用がかかるアパート建築ですが、建築費を安く抑えるポイントがいくつかあります。
ひとつは、設計施工一貫方式を採っている会社を選ぶこと。設計と施工を一貫して行うことにより、別々の会社に依頼するより設計費や確認申請費用を減らすことができます。また、設計と施工の連携がスムーズに行えることで工期の短縮につながり、結果として収益化を早められる効果も期待できます。
次に、建築費が最も安い木造を選ぶことです。ただし、のちのメンテナンスや修繕の費用がかさむ傾向にあるため、長期的に考えて判断するようにしましょう。
その他、保険料を一括契約にする、不要な式典は省略することでも費用の節約が可能です。
さらに、アパートの新築やリフォームに使える補助制度の利用もひとつの方法です。補助金が申請できるかどうかは建物の仕様や年度によって違ってきます。国だけでなく自治体も補助制度を行っており、併用できる場合もありますので、確認してぜひ活用しましょう。
アパート建築でおさえておきたい規制‧法律

所有している土地や購入した土地に、どのような建物を建てられるかどうかを判断するためにも、代表的な法規制は頭に入れておきたいものです。アパート建築にあたってオーナーが知っておくべき法規には以下のようなものがあります。
接道義務
接道義務とは、建築基準法によって定められた「建築物は幅4m以上の道路に2m以上接しなければならない」という決まりです。接道義務を満たさない敷地には、建物を建てることはできません。前面道路の幅員が4m未満の場合はセットバックを行うなどの対応が必要です。
用途地域
都市計画法と建築基準法によって、その土地に建てられる建物の種類が定められています。これが「用途地域」で、「住居系」「商業系」「工業系」という3つのグループと、その中に細分化された13種類に分かれています。
アパートやマンションなどの共同住宅は、工業専用地域以外ならどこでも建築可能ですが、建てられる建物の高さは用途地域によって異なります。建物の規模を決める「建ぺい率」と「容積率」も用途地域ごとに定められています。
さらに、都市計画法では防火地域・準防火地域が設けられており、それに応じて建物の構造や仕様が限定される点にも注意が必要です。
斜線制限・高さ制限
斜線制限とは、近隣の日照を確保するために建築できる高さの範囲を定めたもので、道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限の3種類があります。空間を斜めに切り取ったような形で制限することから斜線制限といわれています。
また、第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域では「10mまたは12m以下」という絶対高さ制限が設けられています。10m規制の場合は、3階建て程度までのアパートなら建築可能です。
参照:建築基準法(集団規定)|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001717406.pdf
ついに完成!入居者を集めるポイントは?

ここまで紹介してきたような費用や条件をクリアしたら、いよいよアパート建築が始まり、竣工時期の目安がついた段階で入居者募集がスタートします。アパート経営を満室で始めるために、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
効果的な入居者募集のポイント

最近の部屋探しは、インタ―ネットで検索し、気になる物件があったら問い合わせて内見する(オンライン内見含む)、という流れが一般的になっています。問い合わせで接触する不動産会社の数が1〜3社ほどと昔より少なくなっているため、入居者に選ばれる仲介会社に依頼することが重要です。
不動産ポータルサイトや各種SNSでの宣伝はもちろん、エンドユーザーに対する独自のアプローチ方法を活用する、または該当エリアで実績のある仲介会社に依頼したいものです。
賃貸契約時の注意点
入居者が決まったら賃貸借契約を結びます。契約書は不動産会社が作成し、賃貸オーナーは契約に立ち会わないことがほとんどですが、契約書の内容はあらかじめ確認しておきましょう。
契約書には、家賃滞納の際の扱いや中途解約・契約解除の際の違約金、敷金と原状回復についてなどが盛り込まれています。それらの具体的な内容とともに、オーナーとして入れておきたい禁止事項や特約が反映されているかを確認します。
信頼できる管理会社を選ぶ
建てたアパートの資産価値を長く保つために、適切な管理は欠かせません。自主管理でなければ管理会社に依頼することになりますが、管理会社のサービスの対応内容や料金設定もさまざまです。
管理には、入居者募集から契約、家賃の徴収など主に入居者の対応を行う「賃貸管理」と、建物のメンテナンスや保守、日常の清掃などを行う「建物管理」があります。賃貸管理と建物管理を一括して行う会社や、建築会社の系列会社として紹介される管理会社、清掃など一つの業務に特化した会社があります。
管理会社を選ぶ際には、管理会社としての実績や管理委託料が適正かどうかをじっくり検討するようにしましょう。
建築から入居者募集まで。セレ コーポレーションならまかせて安心
セレ コーポレーションは創業以来、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県)に特化した賃貸住宅事業を展開しています。都市に暮らす若者を入居ターゲットとし、そのニーズやトレンドを掴んだ建物意匠や空間設計を創り出すほか、東京圏で管理戸数12,000戸を超える実績の賃貸管理クオリティを誇ります。
自社責任による一貫生産体制のもと、コンサルティングから設計・デザイン、自社工場での構造部材製造、施工と品質管理、入居後の賃貸管理・建物管理に至るまで、“アパート専門メーカー”としてあらゆる責任を果たしています。
また、仲介パートナー会社による専任募集ネットワーク「セレ リーシングパートナーズ」を東京圏一円に展開。エリアごとに実績のある不動産仲介会社と連携し、きめ細やかな入居者募集を行っています。
若者のこだわりに応える空間設計や設備の研究、エリアに特化した商品企画などの連携にも努めるほか、ゲスト(入居者)との関係を強化することで、2024年2月時点の入居率は98.5%の高水準を実現しています。

まとめ
アパート建築は、まさに一大事業です。そして、建物の竣工はゴールではなく、長く続く賃貸経営のスタートです。将来は子どもや孫の代まで承継できる資産価値を保つこと、健全なキャッシュフローで安定経営を続けていくことなど、オーナーに求められるものは多岐にわたり、それだけにやりがいのある事業といえます。
賃貸オーナーが事業を進めていくにあたって、不動産会社は欠かせないパートナーです。だからこそ、建築から入居者募集、管理に至るまで質の高いサポートが得られる会社を選びたいもの。アパート専門メーカーのセレ コーポレーションなら、建築のみならず、次世代まで続く賃貸経営に寄り添う心強い味方となってくれるでしょう。
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< この記事の監修者 >

阿部倉 弘子
Life&Money FP事務所 代表
AFP
IT企業にて20年間、ユーザサポートおよびシステム運用に従事したのち、保険や金融商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーとして2024年に独立。
30代半ばに心の状態が原因でお金の判断を誤った経験や、自身がおひとり様として生きる中で感じてきた将来への不安をきっかけに、現在は40代以降の独身女性を中心に、「お金の不安を、自分らしい答えに変えるサポート」を行っている。
数字や理論だけに偏らず、「その人の想い」に丁寧に耳を傾け、一人ひとりの価値観や人生観を大切にした中立的なアドバイスを提供している。
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