固定資産税を払い忘れてしまい、「このまま放置するとどうなるのか」「延滞金はいくらかかるのか」と不安になる方は多いでしょう。気づいたときには、督促状が届いているケースも少なくありません。
固定資産税を納期限までに納付しないと、延滞金が発生し、督促や催告を経て差し押さえに進む可能性があります。
本記事では、払い忘れた場合の基本的な流れや延滞金の考え方、今すぐ確認したい対応を分かりやすく整理します。
いまさら聞けない!
アパート経営の疑問を解消
自己資金、利益、空室対策…
アパート経営によくある不安と解決策をまとめました。
今なら無料で、メールにてお届けします。
固定資産税を払い忘れるとどうなる?
固定資産税を払い忘れると、翌日から延滞金が発生します。放置すると督促状・催告書が届き、最終的には財産の差し押さえに至るリスクもあります。早めに対応することが大切です。
納期限を過ぎると延滞金が発生する
固定資産税は、納期限の翌日から1日単位で延滞金が計算されます。「少し遅れただけ」と軽く考えがちですが、1日でも過ぎれば延滞金加算の対象になります。
延滞金の割合は毎年見直されます。令和8年1月1日以後は、納期限翌日から1カ月以内は年2.8%、1カ月を超えると年9.1%です。最新の割合は自治体の案内で確認しておきましょう。税額が大きい物件や滞納が長引くケースでは、無視できない負担になります。
なお、実際の割合は、算出の基礎となる延滞金特例基準割合に基づき毎年決定されるため、必ず居住地の自治体ホームページ等で最新情報をご確認ください。
督促状・催告書が届く
延滞金の発生と並行して、自治体からの通知が届き始めます。固定資産税を納期限までに納付しなかった場合、納期限から20日以内に督促状が送付されます。督促状(とくそくじょう)とは、税金の納付を正式に求める書類です。
法的には、督促状を発した日から10日を経過しても完納しないときは差し押さえの要件を満たしますが、実務上はその前後で催告や納税相談の案内が行われることもあります。
催告書(さいこくしょ)は督促状よりも踏み込んだ警告です。差し押さえの前段階として送られ、それでも対応しないでいると、財産調査・身辺調査が行われます。
放置すると差し押さえに進む
催告を無視し続けると、最終的に「差し押さえ」が実行されます。対象となる財産は預貯金・給与・不動産・自動車・生命保険などです。預貯金なら銀行口座の凍結、給与なら勤務先からの天引きという形で実行されます。
重要なのは、税の滞納に対する差し押さえは裁判所の命令を必要としない行政処分である点です。通常の民事手続きとは異なり、自治体が単独で実行できる強力な制度であるため、気づいたときには突然口座が凍結されていたというケースもあります。
差し押さえ後も納付がされない場合は、不動産やそのほかの財産が公売(こうばい)に付され、売却代金が滞納税額に充てられることがあります。
固定資産税を払い忘れたときの対処法

払い忘れに気づいたら、まず落ち着いて状況を確認しましょう。手元に納付書があるか、督促状が届いているかによって、取るべき行動が変わります。
納付書があればそのまま支払える
期限が過ぎていても、手元に納付書があればそのまま支払いに使えるケースがあります。金融機関や郵便局、市区町村の窓口では、期限切れの納付書でも受け付けてもらえるケースが一般的です。
ただし、コンビニエンスストア等での納付は、納付書に記載された「コンビニ等有効期限」内に限られます。なお、1枚あたりの納付金額が30万円を超える場合はコンビニでの納付ができません。
納期限を過ぎていても有効期限内であれば利用できる場合がありますが、有効期限を過ぎると使えません。まずは納付書に記載の問い合わせ先に電話して、使用できるか確認するのが確実です。
延滞金については、その場で併せて払う場合と、後日別途納付書が送られてくる場合があります。自治体によって対応が異なるため、窓口で確認しながら手続きを進めてください。
納付書をなくした場合は再発行する
納付書が見当たらない場合は、市区町村の税務課や納税担当窓口に連絡し、納付書の再発行を相談します。なお、自治体によっては納税通知書そのものを再発行できず、納付書のみ再発行の対象となる場合があります。
問い合わせの際は、納税義務者名や対象物件が分かる資料を手元に用意しておくと手続きがスムーズです。窓口に直接行く場合は、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)を持参しましょう。
相続や法人所有で管理が複数にわたっている場合は、どの物件の納付書かを明確に伝えることで手続きが円滑に進みます。複数の期分をまとめて滞納している場合も、まとめて再発行してもらえるか確認してみてください。
督促状が届いてもすぐ払えば問題ない
督促状が届いた段階でただちに差し押さえが行われるとは限りませんが、法的には滞納処分に進み得る段階です。通知を受け取ったら放置せず、記載された納付先や担当窓口を確認し、できるだけ早く納付または相談を行いましょう。
督促状には、納付先や問い合わせ先が記載されています。延滞金を含めた金額を確認し、指定の方法で支払いましょう。督促状が届いた後も自治体から電話や訪問があった場合は、無視せず誠実に対応することが大切です。
もし経済的な事情で一括払いが難しい場合は、分納(複数回に分けて支払う方法)について相談できます。自治体の窓口で支払い計画を立てることで、差し押さえを回避しながら少しずつ解消できます。督促状を受け取ってから何もしないのがもっともリスクが高い対応であるため、届いたその日に動き出すことを意識してください。
固定資産税が負担になりやすい土地の特徴
固定資産税の金額そのものより、土地の持ち方によって負担感は大きく変わります。収益を生まない土地は、税金と維持費が積み重なるだけになりがちです。
収益を生まないまま保有している
土地を所有しているだけで、固定資産税は毎年発生します。収益を生む仕組みがなければ、支出だけが積み上がります。
例えば、相続で取得したものの使い道が決まっていない土地や、かつて自宅だった土地をそのまま保有し続けているケースは典型的です。税額が年間数万円であっても、10年・20年と保有すれば総額は小さくありません。
維持費だけがかかり続ける
固定資産税以外にも、土地の維持にはさまざまなコストが発生します。草木の管理・除草・フェンスの補修・不法投棄への対応など、放置すれば近隣トラブルにつながる問題も少なくありません。
特に更地や空き地は、定期的な管理をしないと雑草が繁茂したり、ゴミの不法投棄が起きたりします。管理業者に委託すれば費用がかかり、自分で対応するなら手間と時間がかかるデメリットも無視できません。
活用されず遊休化している
遊休地(ゆうきゅうち)とは、所有しているにもかかわらず利用されていない土地のことです。活用方針が決まらないまま保有を続けると、負担だけが固定化されます。
遊休地の問題は、税負担にとどまりません。自治体によっては、管理が不十分な空き地に対して「適切な管理」を求める指導が入るケースもあります。また、将来的に売却や活用を検討したとしても、長期間放置された土地は整備費用がかかる上、買い手や借り手がつきにくくなる可能性もあります。
「とりあえず持っておく」という選択は、実は毎年コストを払い続ける選択でもあります。
固定資産税を負担で終わらせない考え方

固定資産税は土地を持つ以上、毎年必ずかかる固定費です。ただし、土地の使い方次第で、その負担の意味はまったく変わります。
土地を収益化するという視点を持つ
固定資産税を「避けられないコスト」として受け止めるだけでなく、「土地から収益を生む前提で考える」という視点を持つことが重要です。
土地は保有しているだけでは価値を生みません。しかし、賃貸や駐車場として活用することで、毎年の税負担を収益でカバーできる構造をつくれます。同じ固定資産税を払っていても、収益がある土地とない土地では、経営上の意味がまったく異なります。
「税金を払うために稼ぐ」のではなく、「土地が自然に税金をカバーする」状態を目指すことが、長期的な資産管理の基本的な考え方です。
固定費を収入でカバーする
固定資産税・維持費・管理費など、土地にかかるコストをまとめて「固定費」として捉えると、判断がシンプルになります。その固定費を上回る収入を土地から得られているかどうかが、活用の成否を見極める基準です。
例えば、年間の固定資産税が20万円・維持費が5万円の土地であれば、年間25万円以上の収入があれば収支はプラスになります。駐車場であれば月3~4台分の収益でカバーできる計算です。賃貸住宅であれば、より安定した収入で固定費を上回れる可能性があります。
重要なのは、「いくら税金がかかるか」ではなく「いくら収入を得られるか」を起点に考えることです。
保有し続けるなら活用を検討する
「売るほどでもないが、このまま持ち続けるのも不安」という状況は少なくありません。そのような場合こそ、効果的な土地活用の検討が有効です。
ただ保有しているだけの土地は、時間が経つほど選択肢が狭まる可能性があります。周辺の開発状況や人口動態によっては、今のほうが活用しやすい条件が整っているケースもあります。反対に、将来的に需要が落ちてから動こうとしても、収益化のハードルが上がっているケースがあるかもしれません。
固定資産税の支払いが続く以上、保有にはコストがかかっています。そのコストに見合う形で土地を機能させられているかを定期的に見直す習慣が、長期的な資産管理につながります。「持ち続けること」自体をゴールにせず、土地が何らかの役割を果たしている状態を目指すことが大切です。
固定資産税対策としての土地活用の選択肢
固定資産税の負担を軽減するには、土地を「持つだけ」から「使う」状態に変えることが基本です。活用方法はいくつかあり、土地の条件によって向き不向きがあります。
アパート経営という選択肢
賃貸需要が見込めるエリアの土地であれば、アパート経営は固定資産税対策として有効な選択肢の一つです。毎月の家賃収入が安定的に入る状態をつくれれば、固定資産税や維持費を上回る収益を期待できます。
また、アパートなどの賃貸住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」が適用されます。これは、住宅用地として使うことで固定資産税の課税標準額が最大6分の1(都市計画税は最大3分の1)に軽減される制度です。更地のまま保有するより税負担が大幅に下がる上、家賃収入も得られるため、収支の改善効果は二重に働きます。
一方で、アパート経営には建築費などの初期投資が必要です。収益性はエリアの賃貸需要や建物の仕様によって大きく変わるため、事前に収支シミュレーションをしっかり行うことが欠かせません。
駐車場など低リスク活用
初期費用を抑えて始めやすい活用方法として、駐車場があります。舗装と区画整備だけで運営を始められるため、アパート経営と比べると資金的なハードルが低めです。
ただし、駐車場の収益性は立地に大きく依存します。駅近や商業施設周辺など需要が高いエリアでは収益を期待できますが、住宅地の中にある土地では稼働率が上がりにくいケースもあります。固定資産税をカバーできるかどうかは、周辺の需要をよく見極めた上で判断することが重要です。
また、駐車場用地は住宅用地の特例の対象外となるため、アパート経営と比べると固定資産税の軽減効果はありません。収益と税負担の両面から、総合的に比較することをおすすめします。
売却も含めて判断する
活用よりも売却のほうが合理的なケースもあります。立地条件が活用に向かない場合や、管理の手間をかけたくない場合、売却によって土地を現金化する選択肢も十分に検討する価値があるでしょう。
売却すれば固定資産税の支払いもなくなり、維持コストからも解放されます。売却後の資金を別の資産運用に回すことで、より効率的に収益を得られる可能性もあります。
大切なのは「活用か売却か」を固定せず、土地の条件・エリアの需要・自身の状況を総合的に見て判断することです。固定資産税対策を入口にしながら、土地全体の出口戦略を考えるきっかけにしてみてください。
アパート活用が向いているケース

アパート活用はすべての土地に向くわけではありません。向いている条件を正しく理解した上で、自分の土地に当てはめて判断することが大切です。
賃貸需要が見込める立地
アパート経営で安定した収益を得るには、入居者が集まるエリアであることが前提です。具体的には、最寄り駅から徒歩10~15分以内、大学や病院・商業施設が近い、単身者やファミリー層の流入が続いているといった条件が目安になります。
賃貸需要の有無は、周辺の空室率や賃料相場を調べることで、ある程度把握できます。不動産情報サイトで周辺の募集状況を確認したり、地元の不動産会社にヒアリングしたりして、需要の実態をリサーチしましょう。
人口の少ないエリアや需要の少ないエリアでは、空室リスクが高くなります。立地の需要をしっかり見極めることが、アパート活用の成否を分ける最初の判断軸です。
長期保有を前提にしている
アパート経営は、短期間で大きなリターンを得る投資ではありません。建築コストの回収には一般的に10~20年程度かかるため、長期で保有し続けることを前提にした土地オーナーに向いています。
「数年後に売りたい」「相続の都合でいずれ手放す可能性がある」という場合は、建築コストを回収しきれないリスクがあります。反対に、子どもや孫に資産として引き継ぐ意向がある場合や、老後の収入源として活用したい場合は、アパート経営と目的が合致しやすいでしょう。
長期保有を前提にすると、建物の修繕計画や管理体制を最初から整えておくことも重要です。築年数が上がるにつれて修繕費が増えるため、収支計画には長期的な視点を組み込んでおく必要があります。
固定資産税を収益でカバーしたい
「毎年の固定資産税が負担になっている」「維持コストを収益で相殺したい」という動機がある場合、アパート活用は目的と合いやすい選択肢です。
前述のとおり、賃貸住宅が建つ土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税が最大6分の1(都市計画税は最大3分の1)に軽減されます。家賃収入で維持コストをカバーしながら、税負担も下げられるという二重のメリットがあります。
ただし、収益でカバーできるかどうかは、建築コスト・想定賃料・空室率・管理費などを織り込んだ収支シミュレーションで確認することが不可欠です。「建てれば収益が出る」という前提ではなく、「この土地でこの規模なら成立するか」を数字で検証した上で判断してください。
固定資産税は納期限までに納めましょう
固定資産税の払い忘れは、延滞金の発生から督促、差し押さえへと段階的に進むリスクがあります。気づいた時点ですぐに納付書を確認し、支払いが難しい場合は自治体へ早めに相談することが何より大切です。
同時に、毎年の税負担が重く感じられるなら、土地そのものの持ち方を見直すことも有効な選択肢です。
セレ コーポレーションでは、アパート経営を中心とした土地の有効活用を、資産形成プランの企画設計から施工・管理まで一気通貫でサポートしています。固定資産税を収益でカバーできる仕組みづくりに関心があれば、ぜひご相談ください。
また、税務・法務・不動産・相続など、各分野の専門家と連携しながら、お客様の課題解決を総合的にサポートする専門家ネットワーク「セレ エキスパートナーズ+」の活用もおすすめです。「何から始めればいいかわからない」という段階でも、現状や課題を整理しながら、専門家と連携して最適な方向性をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
いまさら聞けない!
アパート経営の疑問を解消
自己資金、利益、空室対策…
アパート経営によくある不安と解決策をまとめました。
今なら無料で、メールにてお届けします。
< この記事の監修者 >

大塚 正幸
大塚正幸税理士事務所 代表/税理士
東京税理士会京橋支部所属
東京国税局に約30年間勤務し、相続税・贈与税・譲渡所得税などの資産税事務を専門に従事。 千葉西税務署、江東西税務署、品川税務署、東京上野税務署をはじめ合計17ヵ所の税務署で統括国税調査官として相続税調査の最前線に立ち、申告書精査から調査事案選定まで幅広い実務を経験。 令和2年7月に退職後、同年9月に税理士事務所を開業。現在は相続税専門税理士として申告業務を中心に活動するかたわら、大手税理士法人のセカンドオピニオン業務も手がける。 令和4年4月より千葉県税理士会税務研究所研究員として、税理士向けの財産評価・相続税申告相談も担当。


