土地の固定資産税はいくら?計算方法と効果的な節税について解説

公開日:2026.05.13

土地を所有していると、固定資産税の支払いが毎年発生します。「いくらかかるのかわからない」「節税できる方法はある?」と疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。土地の固定資産税は「課税標準額×1.4%」が基本です。しかし、住宅が建っている土地(住宅用地)であれば、特例によって税額が最大6分の1まで減額されます。

この記事では、土地の固定資産税の仕組みや計算方法、固定資産税評価額の調べ方のほか、節税効果が期待できる土地活用の選択肢について解説します。

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土地の「固定資産税」とは?

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地や家屋、償却資産を所有している方に対して、市町村が課税する地方税です。なお、東京都23区内に限り、都が市町村に代わり都税として課税しますが、税金の性質や計算方法自体はほかの自治体と変わりません。

税額は固定資産税評価額を基準に算出され、標準税率は1.4%です。毎年4月から6月頃に届く納税通知書にもとづいて、原則として年4回の分納か一括納付で支払います。納期限を過ぎると延滞金が発生するため、届いたらすみやかに内容を確認しましょう。

固定資産税評価額の評価替え

固定資産税の課税基準となる固定資産税評価額は、3年に1度見直される、評価替えによって改定されます。評価替えとは、地価の変動を固定資産税に反映させるための制度です。評価替えの年度には評価額が上がることも下がることもあります。

また、評価替えの年度以外であっても、地目の変更や1つの土地を複数の区画に分割する分筆、家屋の新築・増改築といった変化があった場合は、その翌年度の評価額から反映・修正されます。さらに、地価が上昇傾向にある地域では、次回の評価替えのタイミングで税負担が増加する可能性もあるため、所有する土地の評価額の推移には注意を払っておきましょう。

なお、評価額は公示地価の約70%を目安に算出されるのが一般的ですが、実際の評価額は自治体ごとの基準で異なります。

固定資産税と併せて徴収される「都市計画税」

固定資産税と併せて徴収されることのある都市計画税とは、市街化区域内にある土地や家屋に対して課税される目的税です。都市計画事業や土地区画整理事業の財源として使われ、固定資産税と同じく課税標準額をもとに計算されます。市街化区域外の土地には都市計画税は課税されないため、所有する土地がどの区域に該当するかをあらかじめ確認しておきましょう。

税率の上限は0.3%ですが、これよりも低い税率を設定している自治体もあり、正確な税率は所有地の自治体の条例やウェブサイトで確認できます。

なお、都市計画税は固定資産税と合わせて納付するのが一般的で、納税通知書にも合計額が記載されています。

土地の固定資産税の計算方法

土地の固定資産税がいくらになるかは、大きく分けて3つのステップで計算します。具体的な計算の流れを見ていきましょう。

1. 固定資産税評価額を把握する

固定資産税の計算で最初に必要になるのが、土地の固定資産税評価額の確認です。固定資産税評価額とは、各市区町村が定める土地の資産価値を示す金額で、課税の基準となります。

評価額は、毎年送付される納税通知書に同封される、固定資産税課税明細書などで確認しましょう。確認方法について詳しくは後述します。

2. 課税標準額を算出する

次に、固定資産税評価額に特例などを適用して、課税標準額(実際に税率を掛ける対象となる金額)を算出します。特に、住宅が建っている土地には大きな減税措置が設けられています。

課税標準額の特例の内容は以下のとおりです。

■課税標準額の特例

土地の区分固定資産税の課税標準都市計画税の課税標準
小規模住宅用地
(200平方メートル以下の部分)
評価額×6分の1評価額×3分の1
一般住宅用地
(200平方メートル超の部分)
評価額×3分の1評価額×3分の2
更地・商業地住宅用地のような大幅な軽減はない

※上記以外にも建物の税金は発生します。

住宅用地の特例が適用されるかどうかで、税額は大きく変わります。アパートなどの集合住宅であれば、「住宅1戸につき200平方メートル」が小規模住宅用地の対象となるため、戸数が多いほど軽減の範囲が広がることも押さえておきましょう。

3. 税率をかけて税額を確定する

最後に、算出した課税標準額に税率を掛けます。基本的な計算式は以下のとおりです。

<固定資産税と都市計画税の計算式>

固定資産税=課税標準額×1.4%(標準税率)
都市計画税=課税標準額×自治体が定める税率(上限0.3%)

これらを合計した金額が、その年の納税額となります。

では、課税標準額の特例が適用されるかどうかで、どの程度の差が出るのかを見てみましょう。固定資産税評価額2,100万円の土地を例に、「更地」と「アパート運用」の場合を比較します。

■更地の土地とアパートが建てられている土地の固定資産税の比較

項目更地の場合アパート(小規模住宅用地適用)の場合
課税標準額固定資産税:2,100万円
都市計画税:2,100万円
固定資産税:350万円(2,100万円×6分の1)
都市計画税:700万円(2,100万円×3分の1)
固定資産税(1.4%)29万4,000円4万9,000円
都市計画税(0.3%)6万3,000円2万1,000円
合計(年額)35万7,000円7万円

※小規模住宅用地の場合、都市計画税は「3分の1」に軽減される

住宅用地の特例の有無で、年間の税負担に約28万円もの差が生じることがわかります。更地のまま保有するのと住宅用地として活用するのとでは、コスト面で大きな違いがあるのです。

固定資産税評価額を調べる方法

固定資産税の計算には固定資産税評価額の把握が欠かせません。すでに土地を所有している方とこれから購入を検討している方とでは調べ方が異なるため、状況に合った方法を選びましょう。

固定資産税課税明細書

固定資産税課税明細書は、毎年届く納税通知書に同封されている書類です。固定資産税評価額だけでなく課税標準額や税額も一覧で確認できるため、税負担の全体像を把握するのに最適な方法といえます。

また、住宅用地の特例が適用されているかどうかも、課税明細書から読み取れます。本来適用されるべき特例が反映されていなければ、税額を余分に支払っている可能性があるため、記載内容には目を通す習慣をつけておきましょう。

加えて、記載されている地目や地積に誤りがないか確認することも大切です。不明な点があれば、市区町村の税務課窓口に問い合わせてみてください。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、市区町村の窓口で取得できる公的な証明書です。土地ごとの固定資産税評価額が記載されており、売買や相続、担保設定などの手続きで使用されることが多くあります。

取得できるのは本人または委任状を持つ代理人に限られ、1通あたり数百円程度の手数料がかかります。郵送やオンラインでの請求に対応している自治体もあるため、窓口に出向く前に自治体のウェブサイトで手続き方法を確認しておくとスムーズです。

なお、証明書に記載されているのはあくまで評価額であり、特例措置を適用した後の課税標準額とは異なります。評価額と課税標準額を混同すると税額の試算にずれが生じるため、税額そのものを知りたい場合は前述した課税明細書も合わせてチェックしてください。

路線価・公示価格(購入前の場合)

まだ土地を所有していない段階でも、固定資産税の概算を把握しておきたいケースはあるでしょう。その際に参考になるのが、国税庁が公表する路線価や、国土交通省が発表する公示地価です。

一般的に、固定資産税評価額は公示価格の約70%程度が目安とされています。例えば、購入を検討している土地の公示価格が3,000万円であれば、固定資産税評価額はおよそ2,100万円前後と推測できます。ただし、実際の評価額は自治体ごとの基準によって異なるため、あくまで概算として捉えてください。

路線価は国税庁のウェブサイトで無料閲覧できるため、購入前に確認しておくことをおすすめします。将来の固定資産税負担を見込んだ資金計画を立てておけば、土地取得後のキャッシュフローが把握しやすくなります。

参考:財産評価基準書 路線価図・評価倍率表|国税庁

節税効果を期待できる土地活用の選択肢

固定資産税の負担を軽減するには、住宅用地の特例を活かした土地活用が有効です。代表的な3つの選択肢について、それぞれのメリットや特徴を確認していきましょう。

アパート経営

アパートを建築すると、土地全体が住宅用地として特例の対象になります。注目すべきは、住宅1戸につき200平方メートルまでが小規模住宅用地に該当する点です。10戸のアパートであれば2,000平方メートルまでが6分の1の軽減対象となるため、戸数を増やすほど特例の恩恵を受けられます。

固定資産税が軽減されるだけでなく、家賃収入を得られることもアパート経営のメリットです。家賃収入から固定資産税や借入金の返済を差し引いてもキャッシュフローを確保できる可能性があり、土地を「持つだけのコスト」から「収益を生む基盤」へと転換できるでしょう。

さらに、固定資産税は不動産所得の必要経費として計上できるため、所得税の面でも有利に働きます。

アパート経営の固定資産税については、下記の記事をご覧ください。
アパート(賃貸)経営の固定資産税はいくら?軽減措置や注意点を解説

賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、自宅の一部を賃貸スペースとして設計する建物です。自己居住部分が50%以上であれば住宅ローンを利用できるケースもあり、「いきなりアパート経営を始めるのは不安がある」という方にとって心理的なハードルが低い選択肢といえるでしょう。

固定資産税についても、建物の一部が居住用途であれば、土地全体に住宅用地の特例が適用され、税負担を軽減できます。また、居住部分が全体の2分の1以上などの要件を満たせば、新築建物の固定資産税を一定期間軽減できる措置も受けられます。

税負担を抑えつつ、家賃収入をローンの返済にあてられる点は大きな魅力です。

賃貸併用住宅については、下記の記事をご覧ください。
賃貸併用住宅とは?「やめとけ」といわれる理由や向いている人を解説

売却

活用予定のない土地を保有し続けると、固定資産税を毎年支払うことで資産が目減りしていきます。売却して現金化し、より収益性の高い資産に組み換えるのも有効な選択肢です。

例えば、地方にある活用しづらい土地を売却し、都心部の区分マンションを購入する方法もあります。安定した賃貸需要が見込めるエリアであれば、固定資産税を差し引いても収益を確保できる可能性は高いでしょう。

なお、土地を売却する際の固定資産税は、引渡し日を基準に売主と買主で日割り精算するのが一般的です。売却のタイミングは市場動向に左右されるため、仲介を担当する不動産会社や、税理士などのアドバイスを受けながら、慎重に判断することをおすすめします。

固定資産税の仕組みを理解し、長期的な資産形成を図ろう

固定資産税は、土地を所有している限り避けられない支出です。しかし、住宅用地の特例や都市計画税の仕組みを正しく理解し、土地を適切に活用することで、将来的な税負担の重さを変えることは十分可能です。特に、更地のまま放置するのではなく、アパート経営などの住宅用として土地を活用することは、節税と収益化を同時に実現する有効な手段となるでしょう。

「今の土地でアパート経営を始めたら、固定資産税は具体的にいくら下がるのか」「収支バランスはどうなるのか」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ専門家に相談してみてください。セレ コーポレーションは「アパート専門メーカー」として、複雑な税務メリットのシミュレーションから土地の価値を最大化する物件プランの提案まで、オーナーさまに寄り添ったトータルサポートを提供しています。お気軽にお問い合わせください。

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< この記事の監修者 >
大塚 正幸

大塚正幸税理士事務所 代表/税理士
東京税理士会京橋支部所属

東京国税局に約30年間勤務し、相続税・贈与税・譲渡所得税などの資産税事務を専門に従事。 千葉西税務署、江東西税務署、品川税務署、東京上野税務署をはじめ合計17ヵ所の税務署で統括国税調査官として相続税調査の最前線に立ち、申告書精査から調査事案選定まで幅広い実務を経験。 令和2年7月に退職後、同年9月に税理士事務所を開業。現在は相続税専門税理士として申告業務を中心に活動するかたわら、大手税理士法人のセカンドオピニオン業務も手がける。 令和4年4月より千葉県税理士会税務研究所研究員として、税理士向けの財産評価・相続税申告相談も担当。

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