近年、副業や老後資金への備えとしてアパート経営を始めるサラリーマンが増えています。サラリーマンは安定収入があるため融資を受けやすく、アパート経営であれば本業に支障をきたさず運営できる点が人気の理由といえるでしょう。
この記事では、サラリーマンがアパート経営を行うことで得られるメリットや始め方、節税のポイントなどを解説します。副業禁止の会社に勤めている場合の注意点や対応方法についてもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
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アパート経営者の約4割はサラリーマン
国土交通省が実施した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(家主)」によると、アパート経営をしている人のうち約40%がサラリーマン(会社員)であることが明らかになっています。
■アパート経営をしている人の職業

出典:賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(家主)|国土交通省をもとに当社にて作成
この結果から、アパート経営は一部の職業や限られた人だけが行うものではなく、サラリーマンにも身近な選択肢となっていることがわかります。
サラリーマンがアパート経営で得られるメリット
ここでは、サラリーマンがアパート経営を行うことで得られる主なメリットを紹介します。
給与以外の安定した副収入を得られる
アパート経営のメリットの1つは、給与収入に加えて家賃収入という副収入を得られる点です。家賃は契約期間中であれば毎月安定的に入ってくるため、景気変動の影響を受けにくい収入源となります。
例えば、入居者が確保できていれば、給与に頼らずとも一定の収入を維持できるため、老後資金の準備やライフプランの幅を広げる手段としても有効です。また、家賃収入は老後の生活資金にもなりえるため、資産形成の一環としても注目されています。
節税効果で手取りを増やせる
アパート経営では、さまざまな費用を経費として計上できるため、課税対象となる所得を圧縮し、所得税や住民税の負担を軽減できます。結果として手取りが増える点は、大きなメリットといえるでしょう。
経費として認められる主な項目には、減価償却費、ローンの利息、管理費、固定資産税、修繕費などがあります。
団体信用生命保険で万が一に備えられる
アパートローンを利用する際は、団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。団信とは、ローン契約者に万が一のことがあった場合に、保険会社が残りのローンを完済してくれる保障制度のことです。
この制度により、契約者が死亡または所定の高度障害状態となっても、家族にはローンの残っていないアパートを遺すことができ、家賃収入もそのまま継続します。生命保険の代わりとしても活用できるため、遺された家族の生活を支える心強い備えになるでしょう。
相続税対策になる
アパートなどの不動産は、現金と比べて相続税評価額が低くなるため、相続税対策として有効です。特に、アパートを所有していると、土地は「貸家建付地」として評価され、評価額は21%前後下がるケースもあります。
また、建物の評価額は固定資産税評価額を基準に算出されるため、現金で相続する場合と比べて税負担が軽くなる可能性も高くなります。このように、生前に現金資産を不動産に変えておくことで、相続税の圧縮につながり、子供や孫へのスムーズな資産承継にも役立つでしょう。
サラリーマンがアパート経営を始めるためのステップ
サラリーマンがアパート経営を始めるには、どのように進めればよいのでしょうか。ここでは、基本的な流れを解説します。
1. 建築・リフォーム費用を試算し、自己資金の目安を立てる
まずは、アパート経営を始めるにあたり必要となる初期費用を把握しましょう。主な費用は、建築費、設計費、登記費用、外構工事費などです。
一般的に、自己資金は総事業費の10~30%を目安に準備しておくと安心です。サラリーマンは安定収入があるため、金融機関から融資を受けやすく、少ない自己資金でアパート経営を始められる可能性があります。
初期段階で資金計画をしっかり立てておけば、後の収支バランスを崩さず、安定した経営につながります。
アパート経営の初期費用については、下記の記事をご覧ください。
アパート(賃貸)経営の初期費用は?維持費用や自己資金の目安を解説
2. 建築会社やアパートメーカーに建築プランを依頼する
資金の目処が立ったら、建築プランの作成を行います。「どのような入居者をターゲットにするのか」「間取りはどうするか」などの方針を決めた上で、複数の建築会社やアパートメーカーにプランと見積もりを依頼しましょう。
単身者向け、ファミリー向け、学生向けなど、ターゲット層によって必要な設備は大きく異なります。また、立地や周辺環境に合わせた設計ができているかも重要なポイントです。
複数社からプランを取り寄せることで、コストと収益性のバランスを見極めながら、最適な建築会社を選定できます。
3. 収益シミュレーションを作成し、融資・建築契約を進める
建築プランが固まったら、想定される家賃収入と運営コストをもとに、収益シミュレーションを作成します。入居率や家賃、修繕費、ローン返済額などを具体的に数値化して、長期的なキャッシュフローを確認しましょう。
収益計画をもとに、金融機関との融資交渉を行い、建築会社との契約を結びます。その後、計画に沿って建築工事が進められます。
初めてのアパート経営で資金計画に不安を感じる場合は、「アパート専門メーカー」であるセレ コーポレーションのように、資金計画や収支シミュレーションのサポートを行っている会社への相談がおすすめです。専門的なアドバイスにより、現実的で確実な経営計画を立てられます。
4. 入居募集、安定したアパート経営を目指す
アパートが完成したら、いよいよ入居者の募集を開始します。ターゲットに合わせた家賃設定や広告戦略を立て、早期満室を目指すことが経営安定の第一歩です。
入居募集や契約、家賃管理、クレーム対応などの業務は、管理会社に委託することで、大きく手間を減らせます。特に本業を持つサラリーマンにとっては、管理業務をプロに任せることが、無理なくアパート経営を続けるための大きなポイントになります。
管理会社を選ぶ際は、管理戸数、入居率、対応スピード、担当者の対応力などをしっかり確認しましょう。長期的に安定した賃貸経営を実現するためには、信頼できるパートナー選びが重要です。
アパート経営におけるリスクと対処法

アパート経営には多くのメリットがありますが、当然ながらリスクも存在します。ここでは、主なリスクとその対処法について解説します。
初期費用が高額になる
アパート経営を始めるには、建築費や土地購入費のほか、登記費用、仲介手数料、各種税金など、多くの初期費用が発生します。事業として考える以上、ある程度のまとまった資金が必要です。
初期費用を抑えるには、設備や仕様を必要最低限にとどめるのが効果的です。さらに、複数の建築会社からプランを集めて比較すれば、適正な価格帯が見えてきます。過剰な設備投資を避けつつ、コストを抑えた効率的なスタートを切れるでしょう。
空室リスクがある
アパート経営で不安視されるリスクの1つは「空室」です。入居者が決まらなければ家賃収入を得られず、ローン返済などの負担が経営を圧迫します。
空室リスクを軽減するには、立地や需要を見極め、ターゲット層に適した間取りや設備を整えることが大切です。また、家賃設定や募集時期の調整、魅力的な広告戦略なども効果的でしょう。
管理会社と連携し、地域のニーズを把握した上でマーケティング施策を行えば、空室期間を最小限に抑えられます。
建物の老朽化リスクがある
アパートは年数の経過とともに必ず劣化していきます。老朽化を放置すると、入居者離れや資産価値の低下につながり、結果的に収益性が下がってしまいます。
このリスクに備えるには、定期的な点検と修繕を計画的に行うことが大切です。例えば、外壁の塗装、水回りの設備交換、防水工事などを定期的に実施することで、建物の機能と見た目を維持できます。
長期修繕計画をあらかじめ立てておくことで、将来の出費を予測しやすくなり、経営の安定にもつながるでしょう。
サラリーマンがアパート経営で節税する方法
アパート経営の大きな魅力の1つは、節税を期待できることです。ここでは、サラリーマンが実践できる節税方法について見ていきましょう。
経費計上
アパート経営では、さまざまな支出を経費として計上できるため、所得税・住民税の課税対象となる所得を圧縮できます。
特に注目したいのが「減価償却費」です。建物は長期間にわたって使用する資産のため、購入した年に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて少しずつ帳簿上の必要経費として計上します。そのため、実際に現金を支出しなくても経費として計上でき、課税所得を減らすことにつながります。
また、減価償却費を計上して赤字となった場合は、「損益通算」が可能です。損益通算とは、1年間に得た利益と損失を合算して課税対象額を計算する仕組みです。サラリーマンの場合、不動産所得で生じた赤字分を、安定した収入源である給与所得の黒字分と相殺できるため、給与所得を含めた全体の課税所得を圧縮できます。
このような仕組みを活用すれば、支払う所得税や住民税を減らせる可能性があるのです。
贈与税の非課税枠と相続時精算課税制度
不動産を活用した相続対策では、生前からの計画的な資産移転も有効です。前述したように、不動産は評価額が抑えられるため節税効果が期待できますが、それに加えて、贈与税や相続税に関する各種制度を活用することで、さらに負担を軽減できる可能性があります。
例えば、年間110万円までの贈与であれば贈与税が非課税となるうえ、「相続時精算課税制度」を使えば、2,500万円までの贈与を非課税でまとめて行うことも可能です。これにより、資産を段階的かつ効率的に次世代へ移すことができ、将来の相続トラブル回避にもつながります。
青色申告特別控除
サラリーマンが一定の規模(5棟10室以上)のアパート経営を行う場合、不動産所得に対して「青色申告特別控除」の適用が可能です。最大で65万円の控除が認められるため、課税所得の圧縮に大きく貢献します。
また、青色申告を行えば、専従者給与の支給や損失の繰越など、税務上のメリットも広がります。ただし、65万円控除を受けるためには、複式簿記による帳簿作成や、税務署への「青色申告承認申請書」の提出のほか、確定申告書をe-Taxで提出することが条件となります。
副業禁止の会社でもアパート経営はできる?
副業が禁止されている会社に勤めている場合、「アパート経営は副業にあたるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、その判断基準や対応策について紹介します。
就業規則を確認する
アパート経営を始める前には、まず自社の就業規則を確認することが大切です。
同じ規模のアパート経営でも、企業によって副業の定義や制限は異なります。たとえ税法上は事業規模に該当しない場合でも、会社の規則で「営利目的の活動」や「本業に支障をきたす行為」とみなされれば、副業に該当する可能性があります。
少しでも不安がある場合は、人事部門や上司に事前に相談することも検討しましょう。
「事業的規模」未満であれば副業とみなされない可能性が高い
アパート経営が副業に該当するかどうかは、「規模」と「実態」によって判断されます。一般的に、税法上の「事業的規模」とされるのは、アパートであれば5棟以上または10室以上を所有している場合です。
一方で、5棟未満または10室未満のアパート経営は、事業としてではなく、資産運用の一環と見なされることが多くなります。そのため、こうした小規模な経営であれば、会社の副業規定に抵触しない可能性があります。
管理会社に委託し、本業への影響を最小限に抑える
アパート経営が会社の副業規定にふれるかどうかは、「本業に支障が出るか」を判断基準の1つにすることが多くあります。管理業務をすべて自分で行うと時間や手間がかかり、本業に影響が出る可能性もあるためです。
一方で、管理会社に業務を委託すれば、入居募集・契約・家賃回収・クレーム対応などを代行してもらえるため、オーナーの業務負担は大幅に軽減できます。会社にとっても「本業に支障をきたさない資産運用」として理解を得やすい運営方法でしょう。
アパート経営を副収入の選択肢として検討しよう

サラリーマンにとってアパート経営は、本業を続けながら将来に備える副収入の手段として有効な選択肢です。安定した給与収入があることで融資を受けやすく、物件管理を外部に委託すれば、日々の業務負担も最小限に抑えられます。節税や相続対策としても活用できるため、長期的な資産形成を目指す上でも魅力的な手段といえます。
アパート経営を検討している方は、信頼できる専門会社に相談しながら、無理のない範囲で第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。セレ コーポレーションは、アパート建築・経営の専門会社として、土地活用や建て替え相談をはじめ、資金計画や設計までトータルに支援しています。また、経年劣化に強く、流行に左右されにくいデザインを採用している点も特徴です。経験豊富な専門スタッフが、オーナー様一人ひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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自己資金、利益、空室対策…
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