収益物件とは?種類別の特徴と初心者が失敗しない選び方

公開日:2026.10.02

「不動産投資に興味はあるけれど、そもそも収益物件って何?」と疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。

収益物件とは、賃料収入を得ることを目的に購入する不動産の総称です。安定した収入源になる一方、空室リスクや維持コストなど注意すべき点も少なくありません。

本記事では、収益物件の種類やメリット・デメリット、利回りの基本から失敗しない選び方まで詳しく解説します。

収益物件とは

収益物件とは、賃料収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を目的として購入する不動産の総称です。自宅用のマイホームとは目的が根本的に異なり、入居者から毎月の賃料を受け取ることで投資を回収していく仕組みです。

マイホームとの大きな違いは、利用するローンにあります。マイホームには低金利・長期借入が可能な住宅ローンを使いますが、収益物件では不動産投資ローンを使うのが一般的で、金利はやや高めに設定されています。また、住宅ローンは本人居住が前提のため、原則として賃貸に出すことができません。万が一、銀行に無断で賃貸運用していることが発覚した場合、規約違反として残債の一括返済を求められる重大なリスクがあります。

収益の仕組みは、主に以下の2種類です。

インカムゲイン毎月継続して得られる賃料収入
キャピタルゲイン購入価格より高く売れたときに生じる売却益

不動産投資では入居者から安定した賃料を受け取りながら、長期的な資産価値の上昇も狙う戦略が基本となります。

なお、収益物件は「投資用不動産」とも呼ばれます。居住用との区別が税制・ローン・管理方法の選択にも直結するため、購入前に両者の違いをしっかり把握しておきましょう。

収益物件の3つの種類

収益物件は大きく「住居系」「オフィス系」「テナント系」の3種類に分類されます。それぞれ特性が大きく異なるため、自分の投資スタイルや資金規模に合った種類を選ぶことが重要です。

住居系物件

住居系物件とは、アパート・マンション・戸建てなどを居住用として貸し出す物件です。

市場に流通する物件数が多く、価格帯も数百万円の区分マンション(建物の一室を単体で購入する形態)から数億円の一棟アパートまで、幅広くあります。入居需要が安定しやすく、投資初心者が最初に検討しやすい種類です。

ただし、築年数の経過とともに家賃相場が下落しやすい傾向があります。購入時の家賃水準がそのまま維持されるとは限らないため、長期的な家賃下落リスクも加味した収支計画が必要です。

オフィス系物件

オフィス系物件とは、企業が事務所として利用するビルや区分事務所のことです。

住居系と比べて賃料単価が高く、法人が借主になるケースが多いため、契約の安定性は比較的高い傾向があります。また、退去時の原状回復費用を借主側が負担するケースも多く、オーナーのコスト負担を抑えやすい面があります。

一方で、取得費用が高額になりやすく、景気後退局面では空室が増えやすい点が代表的なリスクです。テレワークの普及による需要変化も、近年は無視できない要素となっています。

テナント系物件

テナント系物件とは、店舗・倉庫・駐車場など商業利用を目的とした物件のことです。

住居系と比べて利回り(投資額に対する収益の割合)が高くなるケースがあります。しかし、景気変動の影響を受けやすく、入居テナントの業績悪化が空室に直結するリスクがあります。物件の用途が限定されるため、一度空室になると次の入居者を見つけるまでに時間がかかる点にも注意が必要です。

利回りの基本と相場

収益物件を比較する際に必ず確認したいのが「利回り」です。利回りには2種類あり、正しく使い分けることが投資判断の精度を高めます。表面利回りだけを見て物件を選んでしまうと、実際の手取り収益が期待を大幅に下回るケースがあるため、注意が必要です。

表面利回りと実質利回り

表面利回りとは、年間賃料収入を物件価格で割ったシンプルな指標です。

計算式:表面利回り = 年間賃料収入 ÷ 物件価格 × 100(%)

計算が簡単で物件広告にもよく掲載されていますが、管理費・修繕費・固定資産税などの経費を含んでいません。実際の手取り収益とは乖離するため、あくまで物件を比べるときの参考値として使うにとどめましょう。

実質利回り(ネット利回りとも呼ばれます)は、年間賃料収入から経費を差し引いた上で、物件価格と購入諸費用の合計で割る指標です。

計算式:実質利回り =(年間賃料収入 − 年間経費)÷(物件価格 + 購入諸費用)× 100(%)

購入の可否を判断するときは、必ず実質利回りを基準にしましょう。一般的に、実質利回りが融資金利を大きく上回っているかどうかが、投資として成立するかの目安になります。

種類別の利回り相場目安

下表は、都心部における一般的な相場の目安です。実際の利回りは立地・築年数・空室率・金利環境・市場動向によって大きく変動するため、最新の募集事例や成約事例も併せて確認しましょう。

物件種別表面利回りの目安実質利回りの目安
住居系(区分マンション)4~8%3~5%
住居系(一棟アパート)6~10%4~7%
オフィス系4~7%3~5%
テナント系(店舗・倉庫)6~12%4~8%

※都心と地方では利回り水準に差がある点にご留意ください。

収益物件を購入する4つのメリット

収益物件には、賃料収入による資産形成だけでなく、節税や相続対策としての活用など、複数のメリットがあります。それぞれのメリットを正しく理解した上で、自分の目的に合った運用計画を立てることが大切です。

安定した賃料収入を長期的に得られる

入居者がいる限り、毎月一定の賃料収入を得られます。不動産投資は、株式やFXのように価格が大きく変動するわけではなく、安定したキャッシュフロー(現金の流れ)を確保しやすいのが特徴です。

長期保有の視点では、ローン完済後に返済負担がなくなるため、手取り収益が大きく増加します。維持費や税金を差し引いた賃料収入を、老後資金の一部として活用しやすくなります。

レバレッジ効果で少額から始められる

レバレッジ(てこの原理)とは、少ない自己資金に融資を組み合わせて大きな投資をする仕組みです。不動産投資では金融機関の融資を活用することで、自己資金100万円台からでも数千万円規模の物件を取得できる場合があります。

例えば、自己資金200万円に融資1,800万円を組み合わせて2,000万円の物件を購入すれば、自己資金の10倍の資産を動かせます。ただしレバレッジは損失も拡大させるため、無理のない借入計画が大前提です。

節税対策に活用できる

収益物件では、建物部分を「減価償却費」として毎年経費に計上できます。減価償却費とは、建物や設備の経年劣化分を費用として会計上認識する仕組みです。

また、減価償却費などの経費が賃料収入を上回り、不動産所得が赤字になった場合は給与所得と合算して課税所得を圧縮する「損益通算」が認められており、所得税・住民税を抑える効果が期待できます。所得税率が高い方ほど、損益通算による税負担軽減効果が大きい点が特徴です。

ただし、節税目的だけで物件を選ぶと本来の収益性を見落とすリスクがあります。節税はあくまで副次的な効果として捉え、収益性の確保を最優先に考えましょう。

年金や生命保険の代わりになる

ローンを完済した後の賃料収入は、私的年金の代わりとして機能します。さらに、不動産投資ローンを組む際に「団体信用生命保険(団信)」に加入することで、死亡や高度障害時には残りのローンが完済されます。金融機関によって加入は任意ではあるものの、加入することで万が一の際にも、遺族に無借金の不動産が残ります。

部分的に生命保険の代替機能を持つ上、賃料収入も引き継がれるため、相続対策の選択肢として効果的です。

収益物件を保有するデメリット4つ

収益物件にはメリットが多い一方、見落とせないリスクも存在します。購入前にデメリットを正しく理解しておくことで、想定外のトラブルを回避しやすくなります。

空室や賃料下落で収益が不安定になる

物件を保有していても、入居者がいなければ賃料収入はゼロです。周辺地域で同種の賃貸物件が増えて供給過多になると、空室率が高まるリスクがあります。築年数の経過により、賃料相場が下落する点も想定しなければなりません。

特に地方エリアでは人口減少が続いており、10年・20年単位での賃貸需要の変化を見越した立地選定が重要になります。購入時だけでなく、将来の需要動向も含めて総合的に判断することが大切です。

維持管理にコストと手間がかかる

固定資産税・都市計画税・管理委託費・修繕積立金・損害保険料など、保有中は継続的なランニングコストが発生します。

年間の維持費の目安は物件取得価格の1~2%程度とされており、これを加味した上で実質利回りを計算しましょう。管理を委託する場合の管理委託費は、賃料収入の3~8%程度が一般的な相場です。

流動性が低く売却に時間がかかる

不動産は「流動性が低い資産」の代表格です。売りたいと思っても、価格交渉・買い手探し・契約手続きに半年以上かかるケースがあります。

急にまとまった資金が必要になった際にすぐ現金化できないリスクを、あらかじめ念頭に置いておくことが大切です。

金利上昇や災害の影響を受ける

変動金利でローンを組んでいる場合、金利が上昇するとローン返済額が増えてキャッシュフローが悪化するリスクがあります。

また、地震・火災・水害などで物件が損壊した場合は、修繕費用が発生する上、修繕期間中は賃料収入が途絶える可能性もあります。火災保険・地震保険への加入は、自然災害リスク対策として欠かせません。

初心者が失敗しない収益物件の選び方

収益物件の購入で失敗する多くのケースは、「高利回りにひかれて立地や建物の状態を十分確認しなかった」「融資条件を精査せずに購入した」などのパターンです。以下の4つのポイントを押さえることで、初心者でもリスクを抑えた物件選びができます。

賃貸需要の高い立地を選ぶ

物件選びで、もっとも重要な要素は立地です。駅徒歩10分以内・周辺に商業施設や学校・病院がある・人口が増加傾向にある地域は、安定した賃貸需要が見込めます。

国土交通省の提供する各種不動産データや自治体の人口動態データ、都市計画を参照することで、長期的な需要を客観的に見極める材料が得られるでしょう。単身者向けワンルームを選ぶ場合は、大学や大企業のオフィスが近いエリアも有力な候補になります。

実質利回りで収益性を判断する

広告に掲載される利回りは、多くの場合が表面利回りです。表面利回りだけで判断すると、実際の手取り収益が想定より大幅に下回るケースがあります。

実質利回りがローン金利や諸経費を十分に上回らない場合、手残りが少なくなったり、逆ザヤ(コストが収益を上回る状態)が生じたりするリスクがあります。また、利回りが相場より極端に高い物件は何らかのリスクを抱えている可能性が高いため、割安に見えても慎重に精査することが重要です。

建物の状態と管理体制を確認する

購入前には、必ず物件の現地調査を行いましょう。実際に見てみないと、物件の魅力やリスクなどを正確に把握できません。築年数をはじめとした基本情報だけでなく、修繕履歴・大規模修繕の実施状況・管理会社の対応力を確認することが重要です。

区分マンションであれば、管理組合の議事録の開示を求め、修繕積立金の積み立て状況や滞納状況も調べましょう。建物外壁・共用部・設備の老朽化は、購入後に想定外のコストとなる場合があります。

信頼できる不動産会社に相談する

物件の紹介だけでなく、融資相談・管理委託・税務サポートまで一貫して対応できるパートナーを選ぶことが大切です。

初心者ほど「高利回り物件を勧めるだけ」の会社ではなく、リスクや注意点も含めて丁寧に説明してくれる担当者を選ぶことが失敗を防ぐポイントです。実績・管理戸数などを複数社で比較した上で相談先を決めましょう。

収益物件を保有して安定したインカムゲインを得よう

収益物件は、安定した賃料収入・節税効果・相続対策など多くのメリットを持つ資産形成の手段です。一方で、空室リスク・維持コスト・流動性の低さといったデメリットも存在します。

まずは物件の種類と利回りの見方を正しく理解し、賃貸需要の高い立地・実質利回り・建物の状態の3点を軸に物件を選びましょう。信頼できる不動産会社と二人三脚で進めることで、初心者でも長期的に安定した収益を得られる可能性が高まります。

収益物件選びで迷った場合は、実績豊富なセレ コーポレーションへご相談ください。物件選定から運用まで一貫したサポートを行っており、立地戦略や入居者ニーズを踏まえた提案を通じて、長期的に安定した収益確保を目指せます。


< この記事の監修者 >

飯田 高士

税理士法人ファルベ 
代表社員・税理士

2018年、税理士法人ファルベを設立し代表社員に就任。
現在では年間100件以上の不動産オーナーさま(個人・法人)の税務顧問を務め、決算対策から法人化を含む承継対策、税務調査立会に携わる。
また不動産コンサルティングファームの株式会社ファルべ、株式会社ファルベ不動産とファルベグループを形成し、事業承継対策としての物件の取得・売却・組替えについても組織的な提案を行っている。

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