
「所有する遊休地、どう生かすべきか…」とお悩みではありませんか。駐車場や太陽光など手軽な活用方法がある中、アパート経営も有力な選択肢です。
本記事では、土地活用で「アパート経営」が選ばれ続ける理由を、圧倒的な節税効果と安定収益の観点から徹底解説します。
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アパート経営が選ばれる理由
土地活用の選択肢はさまざまありますが、アパート経営が選ばれ続ける理由は「リスクとリターンのバランスの取りやすさ」と「ほかの活用法を大きく上回る節税効果」の2点に集約されます。
リスクとリターンのバランスが比較的取りやすい
アパート経営は「ミドルリスク・ミドルリターン」の土地活用として位置づけられています。
駐車場や資材置き場は初期費用が少ないぶん、得られる収益も限られます。一方で、商業施設やホテルは高収益が狙えますが、景気に左右されやすく空きテナントが出た際のリスクも大きくなりがちです。
アパートは「住む場所」という根強い需要があるため、景気の波に比較的影響を受けにくい点が特徴です。入居者がいる間は毎月安定した家賃収入が見込めるため、長期的なキャッシュフロー(収入と支出の流れ)を計画しやすい強みもあります。
節税効果が大きい
アパート経営が選ばれる理由は、ほかの活用法と比べて節税効果が高い点にあります。
更地のままでは土地が「路線価(ろせんか)」などを基にした時価に近い価格で評価されます。しかしアパートを建てると「貸家建付地(かしやたてつけち)」として評価額が下がり、相続税の課税対象を大きく抑えられるのです。
2026年5月時点では建物部分も実際の建築費ではなく、より低い「固定資産税評価額」で計算されるため、財産全体の評価額を圧縮できます。駐車場や更地にはこうした評価減の仕組みが適用されないため、相続対策としてアパート経営が特に有効とされています。
アパート経営のメリット

アパート経営の2大メリットは「相続税の大幅な軽減」と「長期的な安定収入」です。この2つが組み合わさることで、資産を守りながら増やす効果が期待できます。
相続税負担を大幅に軽減できる
アパートを建てると、更地のままの土地と比べて相続税評価額を大きく下げられます。評価額が下がれば課税対象の財産が減り、相続税の負担を抑えられます。
節税の仕組みは主に3つです。
貸家建付地で土地評価額を減額
アパートなど賃貸用建物が建っている土地は「貸家建付地」として評価されます。
計算式は「自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)」です。借地権割合は地域によって異なりますが、住宅地では60~70%程度が一般的です。借家権割合は全国一律30%のため、満室状態であれば土地評価額をおよそ18~21%減額できる計算になります。
小規模宅地等の特例を適用
「小規模宅地等の特例」とは、一定の要件を満たす土地の評価額を最大50~80%減額できる制度です。
賃貸用アパートの敷地(貸付事業用宅地等)は、200㎡までの部分について評価額を50%減額できます。例えば評価額5,000万円・200㎡の土地であれば、特例適用後は2,500万円まで圧縮できます。貸家建付地の評価減と組み合わせることで、さらに大きな節税効果が得られます。
建物部分の評価額を引き下げ
建物の相続税評価額は「固定資産税評価額」をもとに計算されます。固定資産税評価額は一般的に建築費の50~70%程度です。さらに賃貸に出している建物は「貸家」として評価され、固定資産税評価額からさらに30%(借家権割合)を差し引けます。
つまり建築費1億円のアパートでも、相続税評価額は約3,500~4,900万円程度まで下がる可能性があります。現金1億円をそのまま相続するより、大幅に税負担を減らせる点がアパート経営の大きな強みです。ただし、地域や築年数、構造によって変動するため、個別の評価が必要です。
長期的な安定収入が見込める
アパート経営は、入居者がいる限り毎月継続的に家賃収入を得られます。株式投資のように日々価格が変動するわけではないため、収支の見通しを立てやすい点が特徴です。
例えば10室・家賃7万円のアパートが満室であれば、年間収入は840万円になります。空室率を20%と見込んでも、年間672万円の収入が得られる計算です。
また、ローンを完済した後は収入の大部分が手元に残ります。老後の年金収入を補う「私的年金」としての機能も期待されており、長期的な資産形成の手段となり得るのです。
アパート経営で想定されるリスク
アパート経営は節税や安定収入という魅力がある一方、事前に把握しておくべきリスクも存在します。リスクを正しく理解した上で対策を講じることが、長期的な成功につながります。
空室発生による収入減少リスク
アパート経営でもっとも起こりやすいのが、空室による収入減少です。入居者がいない部屋は家賃収入がゼロのまま、管理費やローン返済だけが続きます。
空室リスクが高まる要因として「築年数の経過」「周辺の競合物件の増加」「人口減少エリアでの需要低下」などが挙げられます。
国土交通省の調査によると、全国の賃貸住宅の空室率は近年じわじわと上昇しており、特に地方圏では深刻な状況も見られます。全国的に空き家は増加傾向で、地域によって賃貸需給に差がある点を押さえておきましょう。エリアの賃貸需要をしっかり調査せずに建築すると、慢性的な空室に悩まされるリスクがあります。
建物の老朽化と大規模修繕費用
建物は年月とともに劣化します。外壁の塗り替えや屋根の防水工事、給排水管の交換など、築年数に応じた修繕が避けられません。
一般的な木造アパートの大規模修繕の目安は以下のとおりです。
| 修繕内容 | 実施目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 外壁塗装・防水 | 築10~15年 | 80~150万円 |
| 給排水管の修繕 | 築15~20年 | 50~100万円 |
| 屋根の葺き替え | 築20~25年 | 80~200万円 |
| 設備の全面更新 | 築25~30年 | 200万円~ |
修繕費を積み立てずに経営すると、いざというときに手元資金が不足する事態になりかねません。毎月の収入の一部を修繕積立金として確保しておくことが重要です。
金利上昇による返済負担の増加
アパート建築には、金融機関からの融資(アパートローン)を利用するケースが一般的です。変動金利型のローンを選んでいる場合、金利が上昇すると毎月の返済額が増え、手残り収入が圧迫されます。
2024年以降、日本銀行の金融政策の転換により、長らく続いた低金利環境が変化しつつあります。例えば借入額1億円・返済期間30年のローンで、金利が1%から2%に上昇した場合、月々の返済額はおよそ4.8万円増加します。
融資を受ける際は、将来の金利上昇をある程度織り込んだキャッシュフローのシミュレーションを行っておくことが不可欠です。
入居者トラブルや自然災害
家賃の滞納、騒音・ゴミ問題、原状回復をめぐる退去時のトラブルなど、入居者との問題は経営上の大きなリスクの一つです。管理会社に委託することでリスクを軽減できますが、委託費用(家賃収入の5~10%程度)が発生します。
また、地震や台風などの自然災害による建物への損害にも備えが必要です。火災保険や地震保険への加入は必須と考えておきましょう。保険料は建物の構造や規模によって異なりますが、木造より耐火性の高い鉄骨造・RC造のほうが保険料を抑えられる傾向があります。
失敗しないアパート経営のポイント

リスクを正しく把握した上で、適切な対策を講じることがアパート経営成功の鍵です。特に「事前シミュレーション」と「パートナー企業の選定」の2点が重要になります。
徹底した事前シミュレーション
アパート経営の失敗の多くは、収支計画の甘さに起因しています。楽観的な数字だけで判断せず、悲観的なシナリオも含めた現実的なシミュレーションを行いましょう。
現実的な利回りの計算方法
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。不動産会社が提示する数字の多くは表面利回りであり、経費を差し引いた実態とは大きく異なる場合があるため、注意が必要です。
| 種類 | 計算式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入÷物件価格×100 | 経費未考慮。数字が高く見えやすい |
| 実質利回り | (年間家賃収入−諸経費)÷(物件価格+購入時諸費用)×100 | 実態に近い収益性を把握できる |
例えば年間家賃収入600万円・建築費8,000万円の物件であれば、表面利回りは7.5%です。しかし管理委託費・固定資産税・保険料などの諸経費が年間120万円かかる場合、実質利回りは6.0%まで下がります。
さらに空室率を10~20%程度見込んでシミュレーションすることで、より現実に近い収支を把握できます。こうした理由から、不動産投資の判断では実質利回りを基準に考えることが重要です。
アパート経営の利回りの最低ラインと理想は?計算方法や相場を解説
将来の修繕費を組み込む重要性
多くの投資家が見落としがちなのが、将来の修繕費の積み立てです。毎月の家賃収入から修繕積立金を確保しておかないと、大規模修繕の時期に資金不足に陥るリスクがあります。
目安として、年間家賃収入の10~15%程度を修繕費として見込んでおくと安心です。築年数が上がるにつれて修繕頻度も高まるため、長期(30年以上)のキャッシュフロー計画を作成した上で投資判断を行いましょう。
信頼できるパートナー企業の選定
どれだけ立地がよくても、建築会社・管理会社の選び方を誤ると経営が傾くことがあります。長期にわたるアパート経営を支えるパートナー選びは、慎重に進める必要があります。
建築会社を選ぶ際のポイントは以下の3点です。
・施工実績と品質: 同エリアでの施工実績が豊富かどうかを確認しましょう。完成物件の見学や入居者の声を参考にするのも有効です。
・アフターサービスの内容: 建物の契約不適合責任の期間や、引き渡し後のメンテナンス体制を事前に確認しておきましょう。
・収支計画の透明性: 楽観的な満室想定だけを提示してくる会社には注意が必要です。空室リスクや修繕費を織り込んだ誠実な提案をしてくれる会社を選びましょう。
管理会社を選ぶ際のポイントは、客付け力(入居者募集の実績)と入居者対応の質にあります。管理会社の対応が悪いと入居者の満足度が下がり、退去につながります。複数社を比較し、管理戸数・空室率・対応スピードなどを確認した上で選ぶことをおすすめします。
アパート経営のよくある質問

アパート経営を検討する方から寄せられる疑問に、Q&A形式でお答えします。基本的な費用感や資金計画の参考にしてください。
初期費用の目安はいくらですか?
A.木造アパートで1坪あたり80~110万円、鉄骨造・RC造では90~150万円程度が目安です。※1坪=約3.3㎡
例えば延床面積200坪の木造アパートであれば、建築費だけで1億6,000万円~2億2,000万円程度かかります。設計費・地盤調査費・登記費用なども加わるため、総額は建築費の1.1~1.2倍程度を見込んでおきましょう。
自己資金はどれくらい必要ですか?
A.総事業費の10~20%程度の自己資金が目安です。
金融機関によっては自己資金ゼロのフルローンに対応するケースもありますが、返済負担が重くなり経営を圧迫するリスクがあります。手元に余裕資金を残した上で、総事業費の2割程度を自己資金として準備するのが安全です。
理想的な利回りの目安はありますか?
A.実質利回りで5~7%程度が、現実的かつ健全な目安とされています。
※先ほどの利回りの計算方法部分で解説した通り、表面利回りは経費を含まないため、実際の収益性を判断する際は実質利回りを基準に考えることが重要です。
エリアや構造によって異なりますが、表面利回りが8%を超えるような物件は、空室リスクや修繕コストが隠れている可能性があります。高利回りの数字に飛びつかず、実質利回りで判断する習慣をつけましょう。
土地活用でお悩みの方はアパート経営を検討しよう
アパート経営は、節税・安定収入・資産形成の3つを同時に実現できる土地活用です。相続税対策としての評価額圧縮効果はほかの活用法では代替しにくく、長期的に見ても有力な選択肢といえます。
一方で、空室リスクや修繕費・金利上昇など、事前に備えるべきリスクも存在する点を押さえておきましょう。成功のカギは、現実的な収支シミュレーションと、信頼できるパートナー企業の選定にあります。「自分の土地でアパート経営ができるだろうか」と感じた方は、まず専門家への相談から始めてみてください。
セレ コーポレーションは、土地の有効活用に特化した総合サービスを提供しています。事業プランの設計・経営計画のご提案から、アパートの企画・設計・許認可取得、自社施工まで一貫して対応。さらに入居者募集・家賃回収・建物点検なども自社で担うため、建築後の管理運営までトータルでサポートします。
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アパート経営の疑問を解消
自己資金、利益、空室対策…
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< この記事の監修者 >

齋藤 祐希
アカウンティングフォース税理士法人
相続部責任者/コンサルティング部マネージャー
税理士・上級相続診断士
大原簿記学校にて日商簿記検定の受験指導に従事した後、EY税理士法人に入社。上場会社・オーナー企業の税務顧問業務や株価算定業務に携わる。その後、相続税業務を中心に、5千万円~10億円規模の相続税申告や生前対策に従事。転職後は、連結納税を含む上場企業の税務申告対応や組織再編スキームの提案・申告実務に携わり、法人税務の専門性を深める。
現在はアカウンティングフォース税理士法人にて相続部の責任者を務め、相続税・贈与税・譲渡所得税の申告業務を中心に、上場企業・中小企業の税務顧問、組織再編の提案・申告対応、財務デューデリジェンス、株価算定、社内研修の実施など幅広く活動している。相続業務においては弁護士・司法書士・不動産鑑定士と協業したワンストップ対応を実現。税務通信への寄稿や保険会社主催セミナーでの登壇実績もある。


