アパート経営の家賃収入の内訳は?収支シミュレーションを紹介

2025.10.23

アパート経営に興味があっても「どれくらいの家賃収入が得られるのか?」「実際の手取りはどの程度か?」「黒字化するまで何年かかるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。アパート経営を検討するのであれば、税金や経費を差し引いた実質的な手取り額を把握しておくことが成功への第一歩です。

この記事では、アパート経営による家賃収入の仕組み、支出とのバランス、税金や節税対策などを解説する。黒字化を早めるためのポイントや、収支シミュレーションなどについて解説します。

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アパート経営の家賃収入の仕組み

アパート経営における収入構造を正しく理解することは、収益性を見極めるために欠かせません。まずは、家賃収入の内訳と家賃収入以外の収入について解説します。

家賃収入の内訳

アパート経営の収入の大部分は家賃収入で構成されています。毎月の家賃はもちろん、共益費や管理費、駐車場の賃料などが主な収入源となります。これらは入居者から毎月安定的に得られる収入であり、アパート経営の根幹を支える要素です。

ただし、空室が発生したりフリーレント期間を設けたりすると、その分だけ収入が減少します。そのため、満室状態を維持することがアパート経営において最も重要なポイントといえるでしょう。家賃設定は地域の相場や築年数、設備の充実度によって変動するため、周辺環境や競合物件を考慮しながら適切に設定することが収益安定のカギとなります。

家賃収入以外の収入

家賃以外にも、アパート経営ではいくつかの収入源があります。家賃以外の代表的な収入は、入居時に受け取る一時金である礼金と契約更新時に得られる更新料です。これらは定期的な収入ではありませんが、家賃収入を補完する重要な収益となります。なお、敷金は入居者から預かる保証金であり、退去時に原状回復費用などを差し引いて返還するものです。そのため、敷金は収入には含まれません。

また、自動販売機の設置による手数料収入や、太陽光発電を導入している場合の売電収入などを得ることも可能です。ただし、これらの収入は家賃収入に比べると割合は小さく、あくまで補助的な位置づけと考えるとよいでしょう。

アパート経営で得られる手取り収入の目安

アパート経営を検討する際、実際に得られる手取り収入を把握することは非常に重要です。国税庁の「令和5年分 申告所得税標本調査結果」によると、不動産所得者の平均所得金額は約547万円となっています。ただし、この数字にはアパートだけでなくマンションや土地賃貸による所得も含まれており、実際のアパート経営者の手取り収入は物件規模や立地、経営状況によって異なります。

また、アパート経営における手取り収入は家賃収入総額の約15%が目安です。これは、家賃収入からローン返済や管理費、修繕費、税金などの経費を差し引いた後に残る実質的な収入を示しています。この手取り収入は、借入金の有無や返済額、空室率、管理委託費の割合などによって大きく変動します。そのため、収益性を正確に見極めるには、個別の条件に基づいた詳細なシミュレーションが不可欠です。

参考:国税庁「令和5年分 申告所得税標本調査結果

アパート経営にかかる主な税金

アパート経営を行う上で、税金の負担は収益性にも影響します。ここでは、アパート経営にかかる主な税金の種類と、所得税の計算方法および節税のポイントについて解説します。

主な税金の種類

アパート経営にかかる主な税金としては、所得税、住民税、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税、相続税、贈与税があります。

所得税と住民税は、不動産所得に応じて課税される累進課税方式の税金です。所得が高くなるほど税率も上がるため、節税対策が重要になります。固定資産税や都市計画税は、土地・建物の評価額に基づいて毎年課税される税金であり、保有している限り継続的に支払う必要があります。

不動産取得税や登録免許税は、物件を取得する際に一度だけ発生する税金です。また、印紙税は契約書に記載された金額に応じて課税されます。事業税は、不動産所得が一定額を超える場合に課税される税金であり、事業規模によって対象となるかどうかが変わります。相続税や贈与税は、資産を次世代に移転する際に発生する税金です。

所得税の計算方法と節税ポイント

不動産所得は、総収入から必要経費を差し引いて計算します。この不動産所得に対して、課税所得に応じた税率をかけることで所得税額が算出されます。所得税は累進課税のため、所得が増えるほど税率も高くなる仕組みです。

節税するためには、必要経費を適切に計上することが重要です。代表的な節税方法として、減価償却費の活用があります。建物や設備の取得費用を耐用年数に応じて分割して経費計上することで、毎年の課税所得を抑えられます。

また、確定申告で青色申告を選択することも節税方法のひとつです。最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、青色事業専従者給与として家族への給与を経費に算入できます。さらに、不動産所得が赤字になった場合には、給与所得などの他の所得と損益通算することで、全体の課税所得を減らせます。

さらに、修繕費の計上方法にも注意しましょう。修繕費として一括で経費計上できる費用と、資本的支出として減価償却が必要な費用を正しく区別し、適切な経理処理を行うことが節税につながります。

その他の税金

固定資産税は、土地・建物の課税標準額に対して標準税率の約1.4%が課税されます。都市計画税は、都市計画区域内の不動産に対して最大0.3%が課税される税金です。これらは毎年支払う必要があり、収支計画に組み込んでおくことが大切です。

また、事業税は、不動産所得が一定額を超える場合に課税されます。事業的規模と認められる場合には、事業税の対象となるため注意が必要です。消費税については、居住用賃貸は非課税ですが、店舗やオフィスなどの事業用賃貸は課税対象となります。

相続税や贈与税は、資産を次世代に移転する際に発生する税金です。アパートを相続する場合、評価額の圧縮効果により節税できる可能性があるため、適切な対策を講じることが重要です。

アパート経営の収支シミュレーション

アパート経営の収益性を具体的に理解するために、実際の条件に基づいた収支シミュレーションを見てみましょう。ここでは、鉄骨造12戸のアパートを想定した年間収支の例を紹介します。

<シミュレーションの条件>

・構造:鉄骨造(12戸)

・家賃:月10万円/戸

・管理費:5.5%

・入居率:97.22%

■アパート経営の年間収支シミュレーション

収支金額内訳
年間収入(売上)1,400万円+50万円 
(更新料概算含む)
月10万円×12戸×12ヵ月×入居率97.22%
年間支出340万円固定資産税・都市計画税:50万円
管理委託費:77万円(家賃の5.5%で計算)
広告宣伝費(AD):60万円
修繕積立金:20万円(戸当たり約10年平均)
火災保険料:8万円
共同用電気水道費:5万円
借入利息:120万円(借入額:8,000万円/金利1.5%想定)
年間収益1,110万円(税引前)

このシミュレーションでは、年間収入が約1,450万円、年間支出が340万円となり、税引前の年間収益は1,110万円です。ただし、ここからさらに所得税や住民税が差し引かれるため、実際の手取り額はこれより少なくなります。

なお、収入は入居率や家賃設定、管理費の割合、借入条件などによって大きく変動します。特に空室率が高くなると収入が減少し、収益性が大幅に悪化する可能性があるため、入居者確保の施策が重要です。また、修繕費用は築年数が経過するにつれて増加する傾向があるため、長期的な視点で資金計画を立てることが大切です。

アパート経営の収益が黒字化するまでの期間

アパート経営を始めるにあたって、多くの方が気になるのは「いつ黒字化するのか」という点です。最後に、黒字化までの一般的な期間と、黒字化を早めるためのポイントについて解説します。

黒字化までの一般的な期間

一般的に、アパート経営が黒字化するまでの目安は10~15年です。ただし、この期間は借入金の返済期間や修繕費の積立状況、空室率などの条件によって大きく異なります。

また、初期投資の規模や資金計画の適切さも、黒字化のスピードに大きく影響します。自己資金の比率が高ければ借入金の返済負担が軽減されるため、より早期に黒字化できる可能性もあるでしょう。逆に、借入金の割合が高い場合には、返済期間中の利息負担が大きくなり、黒字化までに時間がかかることもあります。

アパート経営を黒字化させるためには、収支シミュレーションを活用し、現実的な黒字化計画を立てることが重要です。楽観的な見通しではなく、空室リスクや修繕費の増加なども考慮した慎重な計画を立てることで、安定した経営が可能になります。

黒字化を早めるためのポイント

アパート経営を早期に黒字化させるには、初期投資や収支計画、運営体制などを総合的に整えることが大切です。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。

<アパート経営の黒字化を早めるためのポイント>

・自己資金を多めに投入する

・収支シミュレーションを綿密に行う

・信頼できる管理会社を選ぶ

・適切な間取りと設備を選定する

・一括借上システム(家賃保証型サブリース)を活用する

なかでも、一括借上システム(家賃保証型サブリース)の活用は、空室リスクを軽減し収入を安定化させる手段として有効です。アパート一棟をサブリース会社が借り上げる形式で、空室の有無にかかわらず一定額の賃料が支払われます。一般的には家賃収入の80~85%程度がオーナーに入るため、利益率は下がりますが、空室リスクを直接負わずに済む点が大きなメリットです。

黒字化への近道は、堅実な経営設計とリスクコントロールにあります。長期的な視点で計画を立て、着実に実行していくことが成功するポイントとなります。

アパート経営の黒字化については、下記の記事をご覧ください。

アパート経営は何年で黒字化する?期間の目安や成功のコツを解説

サブリース契約については、下記の記事をご覧ください。

サブリース契約とは? 仕組みやメリット・デメリット、契約時の注意点を解説

アパート経営で安定した家賃収入を得よう

アパート経営を始めるにあたっては、収益性や税負担、空室リスクなどをしっかりと把握しておくことが大切です。黒字化までの期間や手取り収入の目安を具体的に理解することで、リスクを抑えた経営計画が立てられます。

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