「東京ゼロエミ住宅」という言葉はご存じでしょうか？
「東京ゼロエミ住宅」とは、東京都が普及を進めている省エネ性能が高い物件のことを指します。
今回はアパート建築における「東京ゼロエミ住宅」について、
そしてセレ コーポレーションが手掛けたアパートの実例をご紹介します！
「東京ゼロエミ住宅」とは？
「東京ゼロエミ住宅」とは、高い断熱性能の断熱材や窓を用いたり、省エネ性能の高い照明やエアコンなどを取り入れた、人にも地球環境にもやさしい、東京都独自の住宅です。
東京ゼロエミ住宅での暮らしは、省エネに加えて、高断熱化によって快適な室温が維持され、部屋間の温度差も小さくなり、ヒートショックの抑制にもつながります。
※ゼロエミ・・・ゼロエミッション（ZERO EMISSION）の略。1994年に国際連合大学が提唱した「廃棄物のエミッション（排出）をゼロにする」という考え方。
引用：グリラボ (igrid.co.jp)
東京都の取り組み
東京都は脱炭素社会（カーボンニュートラル）に向けて、2050年までにCO2（二酸化炭素）の排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に取り組んでいます。
そして、2021年1月に、「2030年までに温室効果ガス排出量を50％削減（2000年比）」する「カーボンハーフ」を表明しました。
都内の温室効果ガス排出量の約30％を占めているのは、家庭からの排出です。
家庭からの温室効果ガス排出量を減らすためには、住宅の省エネ性能などを一層向上させる必要があります。
しかし、都内の住宅特性として、住宅建設費が高く地価も高額であるため狭小な土地利用が多く、斜線制限にともなう屋根形状もあり、太陽光発電システムなどの再エネ設備による環境性能向上への取り組みが進みにくいことが挙げられます。
そこで東京都は、東京におけるこれからの住宅の目指すべき姿として、断熱性能と設備の省エネ性能を部位ごとの「仕様」により「見える化」した都独自の「東京ゼロエミ住宅」をとりまとめました。
セレ コーポレーションにおいてもこの取り組みに賛同し、「東京ゼロエミ住宅」の普及を推進しています。
普及によって期待されること
東京ゼロエミ住宅が普及することによって、都内における住宅の環境性能のボトムアップが進み、高性能な建材や設備の価格が低下することが期待されています。
これによって、より多くの都民の方が環境性能の良い住宅を選択できるようになり、ますます東京ゼロエミ住宅が普及する好循環を生み出すことにつながります。
（参照：東京都環境局 「東京ゼロエミ住宅」とは？）
「東京ゼロエミ住宅」新基準 ※2024（令和6）年10月1日施行
「東京ゼロエミ住宅」では各水準ごとに、省エネルギー基準、外皮性能基準がそれぞれ設けられています。
2024年（令和6）年10月1日以降に設計確認申請をした物件については新基準・制度が適用され、従来の水準1･2･3の3段階から水準C･B･Aに変更。性能基準や助成金額も変更となります。
省エネルギー基準
国が定める省エネルギー基準からの削減率が水準Cは30％減以上、水準Bは35％減以上、水準Aは40％減以上 と定められています。
外皮性能基準
「外皮平均熱還流率（単位：W/㎡K）」が0.60以下は水準C、0.46以下は水準B、0.35以下は水準A と定められています。
水準CはZEH相当、水準Bは北海道相当の性能基準となっています。
※外皮平均熱貫流率：住宅の断熱性能（熱の伝わりやすさ）を表す数値。この数値が小さいほど断熱性能が高い。
また、新制度では再エネ設備（太陽光発電設備等）を原則設置することが条件です。
「東京ゼロエミ住宅」アパート建築のメリット ※2024（令和6）年10月1日施行
助成金
条件を満たした場合、それぞれの設備仕様に合わせて、水準Cの場合は30万円／戸、水準Bの場合は130万円／戸、水準Aの場合は200万円／戸の助成金を受けることができます。
さらに、対象の住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、１棟当たり12万円／kW（3.6kW 以下、上限 36 万円）・ 10 万円／ kW（3.6kW 超 50kW 未満）の追加補助などがあります。
不動産取得税の減免措置
上記の水準を満たした場合、最大で100％の不動産取得税の減免措置を受けることができます。
【2024年最新】旧制度との比較と助成金の例
新制度は旧制度と比べると省エネルギー・外皮性能ともに求められる基準が高くなっており、旧制度で最高水準の「水準3」適合の仕様であっても新制度では「水準B」適合となり、助成金額も減額となります。
しかし、新制度では各戸ごとの性能に応じて助成金を申請することが可能となっており、全戸で水準Aに適合されずとも、水準Bと水準Aの組み合わせなどによって旧制度の水準3の助成金合計額を上回ることもあります。
例えば、
12世帯すべてが旧水準3の場合、
12世帯 × 170万 ＝ 2,040万円 となります。
一方、改正後の制度で、
9世帯を水準A、3世帯を水準Bとした場合、
9世帯 × 200万円 ＋ 3世帯 × 130万円 ＝ 2,190万円
となり、助成金合計額は全戸水準3の物件を上回っています。
上記のように、アパート全体の約58％の住戸で水準Aを満たしていれば、旧水準3以上の助成金額となります。
大まかな目安は以下の通りです。
8戸 ： 5戸以上(62%)
9戸 ： 6戸以上(66%)
10戸： 6戸以上(60%)
11戸： 7戸以上(63%)
12戸： 7戸以上(58%)
13戸： 8戸以上(61%)
14戸： 8戸以上(57%)
土地の形状や建物の構造などの要因によって全戸において最高水準に適合することが難しい場合でも、条件によっては旧水準以上の助成金額とすることも可能となります。
「東京ゼロエミ住宅」に住むゲスト（入居者様）のメリット
快適性向上、健康維持、ヒートショックの予防
「断熱性の確保」によって、部屋間の温度差や部屋内の上部と足元の温度差が小さくなるため、快適性の向上や健康の維持、ヒートショックの予防につながります。
光熱費の削減
光熱費の高騰が叫ばれている今、「設備の効率化」によって、空調や給湯器などの効率が良くなり、光熱費の削減につながります。
その他にも、寒い季節に壁や窓の表面温度が低くなりにくいため、結露が抑制されます。
その結果、健康に悪影響を及ぼすダニやカビが繁殖しづらくなったり、木材の腐敗や建材の劣化を防ぐことができるなど、建物や家具が長持ちする効果も期待できます。
≪水準3≫仕様のアパート「My Style vintage 駒沢」
2023年5月に完成したセレ コーポレーションのアパート「My Style vintage 駒沢」は、「東京ゼロエミ住宅」の最高水準である“水準3”仕様のアパート*となっています。
その実例を、写真とともにご紹介します。
*2023年5月竣工、「東京ゼロエミ住宅」旧基準の仕様
高効率エアコン
小さな電力で温度変化も少なく快適に過ごすことができる、高効率エアコンを採用。
扇風機並みの小電力で運転できる節電機能や、「人の動き」や「明るさ」を感知して運転をコントロールする機能など、省エネ性能が高いエアコンです。
高効率給湯器
今まで使わずに捨てられていた排気熱を有効に利用して、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことができる省エネ性の高い給湯器を使用しています。
効率が上がるとガスの消費量が少なく済むため、環境にやさしく、ガス料金の節約にもつながります。
アルミ樹脂複合サッシ／高断熱ガラス
サッシの外側を耐候性の高いアルミ、室内側は断熱・遮音効果の高い樹脂、という構造にすることで、雨風にさらされる外側の劣化を防ぎつつ、部屋の断熱性を高めることができるアルミ樹脂複合サッシを採用。
窓も断熱性の高いガラスを使用しています。
太陽光パネル
参考画像：「My Style vintage 幡ヶ谷」の太陽光パネル
その他にも、電気の付けっぱなしを防止する「人感センサー付きLED照明」の採用や、１階の床パネル、最上階の天井、外壁も「東京ゼロエミ住宅」仕様となっています。
「東京ゼロエミ住宅」のご相談はセレ コーポレーションへ
セレ コーポレーションは“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”を企業理念に掲げ、未来志向の企業を目指しています。
今後も持続可能な都市「ゼロエミッション東京」を目指す東京都の取り組みに賛同し、政府が推進する「ZEH賃貸」を推進するとともに、同レベルの環境基準である「東京ゼロエミ住宅」の普及に積極的に取り組んでまいります。
※東京ゼロエミ住宅は、ZEHとの併用はできません。 ※第三者機関の認証が必要なため着工までに時間が掛かる場合があります。 ※エネルギー計算が必要となるため、プランによっては数値未達により仕様変更（金額追加）になる可能性がございます（エアコン･給湯器の上位機種やUB手元水栓･ヘッダー配管など）。※掲載の情報は2024年6月時点のものです。
